|
異例の“労使逆転” 賃上げ見通しで労働側に悲観論 「戦えない労組」鮮明に
2010年春闘の賃上げ見通しについて、民間調査機関の労務行政研究所が労使幹部らにアンケートしたところ、労働側の見通し額が経営側を下回ったことが3日、わかった。労使の見通しはここ数年近接しているが、労働側の見通しが経営側を下回る“逆転現象”は04年に次ぐ2度目で異例。労使の差は04年の55円に対し、10年は57円と広がっており「戦えない労組」の様相が鮮明になった。
アンケートは学識経験者にも実施しており、定期昇給込みの賃上げ見通しは労使と学識の全体で5125円(1・6%)と、定昇分程度の伸びとなった。09年の5113円(1・6%)よりもわずかに高い。
労使別にみると、労働側の見通しは09年比265円減の5177円となったのに対し、経営側は同334円増の5234円となり、労使の見通しが逆転した。
09年のアンケートはリーマン・ショック後のどん底の中で行われたため、経営側には悲観的見方が強かったが、労働組合の連合は09年春闘で統一的ベースアップ(ベア)要求を掲げていたことから、見通し額の高止まりにつながった。10年は、デフレの進行や雇用環境の悪化、景気の二番底懸念を受け、連合は統一的ベア要求を掲げず、見通しの押し下げにつながった一方、経営側は業績回復傾向から見通し額が大幅に上昇した。
10年春闘で焦点となる定昇については、経営側の139人中4人が「実施しない(凍結する)」と回答し、1人だった昨年から増加した。労働側は昨年同様1人だった。アンケートは昨年12月上旬から今年1月中旬にかけて、東証1、2部上場企業の労使と学識経験者4937人を対象に実施し、459人から回答を得た。
2月3日 産経新聞
|