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過去にあったトラブル例及び対策例をいくつかあげます。
― 時間外割増賃金 -
(改定前就業規則) (時間外割増賃金)
第OO条 業務の都合により第OO条の所定労働時間を越えた場合には時間外賃金を支払う。
(クレーム) ある営業社員が私は、朝出て外で営業活動を行い遅いのでそのまま家に
帰ることが多い。時には深夜になることもある。おそらく1月残業は
70時間はしている。計算すると残業代は10万円位になると思うが支
給される営業手当は5万円しかない。おかしい。
(対策) 前の条文では確かに「所定労働時間を越えた場合には時間外賃金を支払
う」とあり、このままでは申請どおりの10万円を支払わなくてはなら
なくなる可能性があります。しかし、会社外にいる営業社員が時間全て
を労働しているとは考えられず、また、有能な営業社員が早く仕事を済
ませて早く家に帰っている場合、こちらのほうが残業代が少ないという
矛盾も生じます。
そこで、このような場合、「事業場外のみなし労働時間制」を利用し
て労働者と協定を締結して1日O時間分かの時間外労働を行ったとし
て時間外手当を支給するのが良いと思います。
出張の場合も同様に扱います。
(改定後就業規則) (みなし労働時間)
第OO条 第O条の規定に関わらず外出、出張その他会社外で就業し、
労働時間の算定が困難な場合には所定労働時間労働したも
のとみなす。
2 前項の規定に関わらず労働の算定が困難な場合には会社と
従業員代表との間で協定で結ばれた時間労働したものとみ
なす。
- 昇給 -
(改定前就業規則) (昇給)
第OO条 毎年4月に昇給を行う。
(クレーム) 毎年4月に昇給を行うと記載してあるのに今年は昇給はなかった。これ
は就業規則違反だ。
(対策) この条文では昇給を行うと明言しているので確かに1円であっても昇給
する義務が会社に生じます。もし、給料表があり、就業規則にO号俸昇
給するとでもあれば会社の経営状態とは関係なくその分昇給しなくては
なりません。そこで、昇給という言葉を条文内に使いません。
(改定後就業規則) (賃金の査定)
第OO条 賃金の査定は原則として毎年4月に経済の動向、会社の経営
状況を総合的に考慮して行う。
ただし、会社の経営状況の著しい低下その他やむを得ない場
合には賃金の査定は行わない。
- 賞与 -
(改定前就業規則) (賞与)
第OO条 賞与は毎年8、12月に各人ごとの成績に応じて支給する。
ただし、会社の業績が低下している場合には支給しないこと
もある。
(クレーム) 賞与はとして毎年8月の末日に支給されていた。私は8月の初めで退職
したがその時までの賞与を支払って欲しい。
(対策) 賞与は毎月の賃金とは違い、支払っても支払わなくてもよいもので、こ
の場合成績不良を理由に支払わなくても良いのですが、無用なトラブル
を避けるため支給日在籍を支給要件とします。
(改定後就業規則) (賞与)
第OO条 賞与は毎年8、12月に支給日に在籍する従業員に対して各
人ごとの成績に応じて支給する。
ただし、会社の業績が低下している場合には支給しないこと
もある。
- 退職金 -
(改定前就業規則) (退職金)
第OO条 勤続3年以上の社員が退職・死亡し、または解雇された時に
は別添に定める支給基準により退職金を支給する。
ただし、懲戒解雇された者には退職金は支給しない。
(クレーム) 私は会社の金を横領したが、在籍中には会社には気づかれず自己都合で
円満に退社した。退社した後に横領が発覚したので退職金を支給しない
とはおかしい。就業規則では退職金の不支給は懲戒解雇の場合となって
いるが、私は懲戒解雇されたのではない。
(対策) 退職後には既に社員としての身分を失っているので懲戒解雇はできませ
ん。退職後支給日までの間に不正が発覚した場合のことも想定して就業
規則を作ります。
(改定後就業規則) (退職金)
第OO条 勤続3年以上の社員が退職・死亡し、または解雇された時に
は別添に定める支給基準により退職金を支給する。
ただし、懲戒解雇された者及び退職後に在籍中に懲戒解雇に
該当する行為が発覚した者には退職金を支給しない。
その者に対してすでに退職金が支給されていた場合には返
還を請求する。
- 試用期間 -
(改定前就業規則) (試用期間)
第OO条 新たに採用された社員については3ヶ月間の試用期間を設ける。
試用期間中または試用期間満了後に技能、勤務態度、人物及
び健康状態等に関して引き続き社員として勤務させることが
不適格と認めた場合には決められた手続きにより解雇する。
(クレーム) 私は、勤務成績は良くないが試用期間は過ぎている。いまさら試用期間
を延長すると言うのはおかしい。解雇するならしてみろ。正社員だから
簡単には解雇できないぞ。
(対策) 試用期間の法的性質は「解約権留保付労働契約」とされ、本採用時と比
較して解雇要件が緩やかになっています。そこで試用期間を過ぎても正
社員に登用するか判断を迷うような者にはさらに試用期間を延長すると
いう項目を当てはめるのが良いと思います。
ただ、試用期間の最長は1年以内にとどめておかないと「公序良俗に
反し無効」とされます。
また、採用後14日を経過すると解雇予告、解雇予告手当の対象とな
ります。さらに解雇要件が緩やかといっても解雇には変わりませんので
適格性の欠如を示す具体的根拠が必要となります。
(改定後就業規則) (試用期間)
第OO条 新たに採用された社員については3ヶ月間の試用期間を設け
る。ただし、会社が認めたときには試用期間を短縮すること
がある。
2 試用期間中または試用期間満了後に技能、勤務態度、人物及
び健康状態等に関して引き続き社員として勤務させることが不
適格と認めた場合、あるいは、提出書類の記載に虚偽または故
意の脱漏があった時には決められた手続きにより解雇する。
3 第1項の試用期間中に適格性について判断できなかったとき
には3ヶ月を限度として試用期間を延長することがある。
4 試用期間は勤務年数に通算する。
- 休業 -
(改定前就業規則) (休職)
第OO条 従業員が次の各項に該当するときは、休職とする。
(1)業務外の傷病により2ヶ月以上欠勤したとき。
休職期間は3ヵ月とする。
(2)特別な事由があって休職させることを適当と会社が認めたとき。
休職期間は1年の範囲内で会社が認めた期間とする。
(クレーム) 私は休職していたが時々会社に出勤していたので休職期間は途切れている
はずだ。それに休職期間中といっても会社に籍があったのだから何がしか
の賃金も欲しい。それに休職したからといって他の仕事に替えるのはおか
しい。
(対策) 休職している従業員が休職期間の満了近くになって出勤することを繰り返
し、長く会社に在籍することを辞めさせるために休職期間が合算されるこ
とを明示しておく必要があります。
また、復職後には職務内容が変わることがあること、復職できないとき
には退職となること、休職期間中は賃金不支給であること等細かに決めて
おいた方が無難です。
(改定後就業規則) (休 職)
第OO条 従業員が次の各項に該当するときは、休職とする。
(1)業務外の傷病により2ヶ月以上欠勤したとき。
(2)特別な事由があって休職させることを適当と会社が認めたとき。
(休職期間)
第OO条 休職期間は前条第1号の場合原則として6ヶ月、第2号の場合
必要な範囲で会社が認める期間とする。ただし、特に認めたと
きにはこの期間は延長することがある。
2 前条各号の事由によって休職し、休職期間満了前に復職したが、
復職後30日以内に再び同一または類似の事由により休職し
たときは、前後の休職は連続するものとみなす。
(復職)
第OO条 休職の事由が消滅したと会社が認めたときは、復職させる。
ただし、休職期間が満了しても復職できないときは退職とする。
2 復職にあたっては原則として休職前の職務に配置させるが、業
務の都合その他の事由によって休職前とは異なる職務に配置
することがある。
(休職期間中の賃金)
第OO条 休職期間中の賃金は支給しない。
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